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第1章『漢方薬の特徴』

1-2. 作業行程の違い
 西洋薬を患者さんに投与する場合、例えば
・高血圧があるからCa拮抗薬
・血糖値が高いからスルフォニルウレア
・コレステロールが高いからスタチン系
などというように、お一人の患者さんでも問題点が複数存在すればそれぞれに対応する薬剤を選んで、そして併用投与しますね。なぜそういうスタイルになるのかと言えばそれぞれの薬剤の作用点(適応、薬能)が決まっているからです。高血圧や高血糖という概念に合わせて薬がつくられているからです。

 一方、漢方薬はどうでしょうか。前述いたしましたように「すでに複数の有効成分を含む混合剤」であるわけですから作用点は複数。しかももともと高血圧や高血糖という概念を基につくられてきたものではない、…。まさか「高血圧の漢方薬と高血糖の漢方薬とコレステロールを下げる漢方薬を併用する」とはまいりません。

 西洋薬を用いる場合には「病名に従って薬剤を選択してゆく。病名が複数になる場合にも1つ1つの病名に対応した薬剤を選んできて、その組み合わせをつくる」という作業行程がとられます。
しかしながら前述いたしましたようにすでに複合剤である漢方薬の場合には「いろいろある処方のなかから最も適当と思われる生薬の組み合わせをもつ処方をひとつ選ぶ」という作業を行うことになります。だから同じ病名に対応する処方が沢山用意されていて、そのなかから一番よさそうなものを選ぶという作業を行うわけです。「カゼにはいつも葛根湯」ではなく、「小柴胡湯の時もあれば麻黄附子細辛湯の場合もある」となる理由はそこにあるのです。

要するに、西洋薬を選ぶとは「単一成分の薬を幾つか選んできてセットをつくる」ということ。漢方薬を選択するとは「既存の生薬セットから最適な組み合わせのものを選ぶ」ということになります。
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